放課後。 私は一人、夕暮れに染まる橙色の教室で、部活をしている輝を待っていた。 窓から見える輝の姿。 楽しそうにボールを蹴っている。 彼は一年生にして、サッカー部のエース的存在だ。 「無邪気な奴‥」 微笑ましく見ていると、ガラリと教室のドアが開く音が聞こえた。 「アンタが安宮知香?」 「‥‥‥え?」 振り返るとそこには、転校生。 「え、と‥‥確か、阿久‥摩くん?」 「へぇ、覚えてんだ、俺の名前。 まぁ、別に興味なんて持たなくていいけどさ」