そんな輝の言葉を無視して、私は数学のノートを開く。 意味の分からない数字と記号が目に飛び込んできた。 二人で頭を抱え込ませていた時、ふと私の脳内に、今日見た夢が思い浮かんだ。 「そういえば今日、変な夢を見たんだ」 「は?夢?」 「うん、長い髪を束ねた青年の夢」 「何だそりゃ」 「さぁね‥それぐらいしか覚えてないよ」 私はペンを置き、背中を椅子の背もたれに預けた。 ふと目に入ったのは‥‥