神様は見ている



「こんにっちはー♪」


扉のそばには諭吉さん…
いや諭吉さんのお面みたいなのを被ったロリータ服の女の子がいた

その女の子のそばには野口英世のお面を被った
長身でスーツを着た男がいた。

どう考えても怪しげな二人だ。



マリアはその二人を見て俺を一度見ると

大きく深呼吸してからまた女の子を見た



「…なんだ?お前達は」


少し声を震わすマリア

そんなマリアを見透かす様に
ゆっくりとロリータ服の女の子はお面をとった



そしてつぶらで薄い青の瞳を細め



「この教会を売ってほしいの」



なんていうもの凄い言葉を大きく優雅な声で言った



……いや…


なんだこの……ん?いや…あの…


まさか女の子、しかもまだ小学生くらいの女の子の口からそんな言葉…
いや…冗談だよな…うん


だが、冗談ではない事はマリアの強張った表情から伺える


「何を言っているのだ?この教会は今からたくさんの信者とたくさんの金とたくさんの迷える子羊共のたまり場となるのだ」




何気にマリアは【たくさんの金】の部分を強めた




ロリータ服の少女は馬鹿にするように鼻で笑い