扉から入って来たのはどうやら女の子のようだった
しばらく女の子は何かブツブツと言って
なぜか泣き出した
マリアはその光景を食い入るようにして見ると
女の子が泣き出した時点で
三回ほど大きく深呼吸をした
わけが分からなかったので何やってんだ?と聞こうとした瞬間
『どの様な罪を犯したのか、私に聞かせて御覧なさい』
と…俺の横から声が聞こえた
その声は遅れて聞こえる物
そして…マリアの声
二つが同時に重なり俺は一瞬目を見開いた
え?…
おれはマリアを見た
するとマリアはマイクに越しに喋っていたのだ
わけが分からない…こいつ何やってんだ…
しばらくしてマリアがまた喋り、
また喋り
を繰り返していた
聞いていて不思議に思ったが
俺が思わず驚く言葉をマリアは口にした
『そこに、諭吉さんを置いてゆきなさい』
「は?」