『あ、そうそうヒロ君が綾ちゃんと光にお年玉あげたいから降りてきてだって。』


遂にこの時がやって来てしまった。お母さんはああ言ってたけど、お母さん自身常識があるとは言い難いから余計心配になって仕舞う。


そして、私たちはお義父さんのいる和室にやって来た。余談だが部屋を出た時、鍵はちゃんと掛かっていた事を書いて置こう。


「はい、光ちゃん。綾ちゃんの分も本当は一つにまとめちゃっても良いけど、綾ちゃんにもお正月の気分を味わせたいからね。」


言ってる事は至極まともだ。でも渡されたお年玉の厚さは、今まで私が経験したことのない厚さだった。


この時、私はお母さんがクスクス笑ってた事に気付かずにいた。




気付いていてもどうしようも無かった事だったけど…。