話し終えた賢也は、泣いてはいなかった。 だけど、体が小刻みに震えてた。 「……それから俺は、完璧な俺でいることを心がけた」 「どんなことがあっても、女が寄ってくるのがどんなに嫌でも、全部我慢した。 そのおかげで、俺は特別な友達をたくさん作れた」 「それが、多分……理由。 俺が、『特別』のこと、好きであり嫌いである理由」