私は静かに頷くと、頭を賢也の肩に乗せた。

驚いて体を強張らせる賢也に、

「続けて。

ちゃんと全部、賢也の近くで聞きたいだけだから」

それだけを告げて、目を閉じる。

すると、



ぎゅうっ……


「え……?」

賢也が、静かに私を抱き寄せた。

「……近くで聞くんだろ?」

穏やかで、低くて、優しい声。

私はその声と、制服越しに伝わる体温に安心しながら、

再び話す賢也の話に耳を傾けた。