「ゆきなちゃんの友達の李華ちゃん……だっけ?あの子、ホントにゆきなちゃんを蹴ってたわけじゃないよ」


「……はぁ?」


再び、二人になった資料室。


とっくに三時間目の始まった学校は静かで、部屋には俺達の話し声がよく響く。


「蹴ってねぇって……ありえねぇだろ」

「そうか?」

だって、ゆきなの頭が蹴られている姿を、俺達は見ただろ?

混乱する俺に、涼が低く呟いた。