『見捨てるわけじゃねぇ。だけど……なんかひっかかるんだよ』 『はぁ?』 『とにかく、戻るぞ』 そう言うと涼は、俺を促して隣の資料室へ戻っていく。 俺は――― 『ゆきな、……ごめん』 涼の後を追い、その場を離れた。