「………はぁ」

翌日。
私はため息をつきながら学校へと向かっていた。


理由はもちろん、昨日の婚約。
(……保留にしてもらったけど)

メイド専用の寮に戻ってきた瞬間


『おめでとうございますっ!!』


使用人仲間の全員に、お祝いされてしまったのだ。

私が婚約を保留にしてもらった話をしても――

「嘘はいけませんなぁ〜」

って、みんな取り合ってくれないし。

そのまま、お祭り騒ぎが2時まで続くなんて……

「もはや拷問よ、あれ……」

私は寝不足に痛む頭を抑えながら学校へと向かう。