「……じゃ、なくてっ」

私は和みかけた空気を断ち切り、力を込めて勢いよく立ち上がって


「婚約の、ことだけど」

「オッケー?ありがとう」

「誰が言ったのそんなこと。

あのね?

私、賢也のこと好きじゃない

だから無理。ごめん」

「……それは、今はの話でしょ」

「……は?うん、そうだけど?」

「だったら、」

賢也もベッドから立ち上がる。