布団にくるまってベッドから出てこない紫苑。 その姿を見ると思わず笑いそうになる。 だってね? なんだか芋虫じゃん。 ドロボウ紫苑にはお似合いの姿よ。 「あんた、いつまでそうしてるつもり?」 私は声をワントーン落として紫苑の身体を蹴った。 布団の中からは、 「うっ」 という、紫苑のくぐもったうめき声が聞こえた。 「紫苑!出て来なさいよ!」 私は布団をはぎとった。