俺が余韻に浸っていると、片吹さんが口を挟んだ。

「あたしに何の用だったの?」

「えっ」

俺は余韻終了。

そういえば、俺から話しかけたんだっけな。



いや、でもね?

もう用件なくなったんだけど。


どうしよう。


ニコニコ笑顔がまだ、こちらを向いている。


教科書貸してって言おうと思ってた。

なんて何となく、言いたくなかったから


思わず
「いや、何でもない」

と、言ってしまった。

なんか、片吹さんに先越されましたなんて
バレたくなかったというか…。

でも