俺は、前だけを見ていたんだ。
周りに、こんなにも心強い仲間がいるのに。
「そうだ。お前は、1人じゃない」
「あ、か……つき」
暁だって、俺の事を確り理解してくれている。
「うん。悪かった」
何だかんだ言ったって、皆、俺の事わかってくれているんだよな。
そう思うと、心が温まると同時に、悩んでいた自分に対して、無性に笑いが込み上げてきた。
「……ふ……っ!」
「んなっ!何笑ってんのよ!!」
「あはは……!」
靄が、一気に晴れた気がした。
(照れ臭くて、言えなかったけど……)
何時かは言えるだろうか。
“ありがとう”と──…