「おい暁……近くに何かいるのか」


俺達3人は、隠せない不安を抱きながらも、身構えた。


「嗚呼……数匹の犬がな」


「犬……?」


「ちょっ……猫の次は犬かよっ」


「いいや、俺が言っているのは、お前等が想像しているようなものじゃねぇ……」


すると、何かを忍ばせていたのか、懐から何やら取り出す暁。


「賢吾!」


「……っと」


パシッ


何かを投げられ、咄嗟に受け止める。


(これは……)


細長い何かが、黒い布に包まれている。