穢れ亡きカケラ




心当たりはある。


あの時、リクと一緒に学校へ向かっていた時の事。


それしか無いと思った。


「……思い当たる節はあるようだな」


少し間を置いて「嗚呼、」と返事をした。


そう、否定は出来ない。


(確かに、あの時の事を思い返してみると)


あの瞬間、何が起きたかわからなかったが、本当は何かが見えていた。


(そうだ……─あの時見たものは)