それでも朝はやって来る

助けを呼んだら、すぐに飛んできてくれるなんて小説みたいな事があるわけなくて…

必死に入り込んで来ようとする棗の手を食い止めるので精一杯で…

覆い被さった棗の体はとても重くて苦しくて…



あたしの人生、ほんと最悪。



「もう、ヤダー!!悠里のバカァ!!」



乱暴に制服のブラウスを引き裂かれ、恐怖で体が硬直してしまった。

力が入らない…


も…だめ…だ…





ドカッ!!






「だ~れ~がバカだって!?」


首筋を張っていた二枚舌のソレは、朝子の上に乗ったまま顔を壁に押し付けられて、苦しそうに悶えていた。


「えっ!?」

「こんな時に悪ィが、ちょっと力補充させてくれ」



そこには、悠里がいた…



返事をするよりも先に、悠里は朝子の唇を塞いだ。

昨日もしたのに、随分久しぶりのような悠里とのキス…

触れ合った唇はとても暖かくて甘かった。




あたし…やっぱり


この人が好きだ…





「充電完了」



ゆっくりと悠里は微笑んだ。



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