それでも朝はやって来る

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えっと…玉ねぎを炒めて、んで次はっと…


手際よくハンバーグの準備を進めていく。


下校時間になったら、一目散に材料を買って帰宅した。


ウソが大嫌いな櫂のスイッチを入れてしまったことを、超後悔したけど後の祭り。

ハンバーグを食べて、朝子の話を一通り聞かないと、ブラックな櫂は元に戻らないはず…

一心不乱に台所に立って、ハンバーグを作っていると…


「ん、なんかいい臭いだな」


悠里がうちに帰ってきた。


「あの!申し訳ないんだけど、今日は真楯さんと一緒に外食でもして、4、5時間程時間を潰してきて貰ってもいいですか?」

「あんでだよ?」

「あのちょっと…友達が来るので…」


ドカッとソファに座っておもむろにテレビをつけた。


「彼氏か?で、手作りハンバーグか。まぁ、俺たちのことは気にすんな」


朝子の話は聞くつもりがないのか、テレビのチャンネルをかえて、サッカーを観戦しだした。



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