それでも朝はやって来る

キスをし始めて、急に悠里が階段入口の物陰に朝子ごと移動した。
やめる気配がない、それどころか激しさを増した。

「…んっ…」


息をする暇も与えてくれず、やっとの思いで呼吸をすると、一緒に甘い声が漏れる。


立っているのがやっとで、悠里のブレザーの襟を掴んでじっと耐えた。

チュ…と唇が離れていく。

唾液でベトベトになった唇に風があたると冷たかった。


「ほら、寄っ掛かれよ」


悠里が力の入らない朝子を抱き締めて支えてくれた。


密着する体に違和感を覚えた。
前とはやっぱり違う。


「……なん…か、おっきくなってる?」

「あ゛!?」


キス…する時…確か、朝子が少し屈んでたはず…

今は、何故だか見上げてる。


「お前の…力だよ」


優しい手付きで、髪を撫でられた。


「黄金率の体液は、それだけでも回復力があるんだが、お前が気持ちよくなればなるほど、効果は増すんだ」


じっと熱い目で見つめられた。


「お前…感じてんだよ」


「なっ」


カァッと顔が熱くなった。


.