それでも朝はやって来る

ーーーーーーえ?


「泊まったんだろ?あいつの部屋に…」


なんで、悠里が知ってるの!?


どう答えていいかわからず、胸の鼓動だけが意思とは関係なく早くなっていった。





「悠里さま~」


柱の向こうから、悠里を呼ぶお手伝いの声が聞こえた。

朝子が振り向くと、悠里は消えていた。


「あら、朝子様。悠里様を見かけませんでしたか?」


小さく横に首を振ると、若いお手伝いは小さな溜め息をついた。


「悠里様、今日正式に38代目当主を就任されるのにどこにもいないんですよ」


「あ、そうだ。朝子様、就任式が終わるまで、屋敷の出入りができなくなります。申し訳ないのですが、明日までお屋敷に居ていただきたいのですが…」


若いお手伝いさんは、屈託のない笑顔で朝子を見ていた。


「あ、はい。わかりました」

「御不自由な点がございましたら、なんなりと私、菖蒲(あやめ)にお申し付けください」


可愛い感じのお手伝いさんだった。

悠里の屋敷に来てから、監視されているようで嫌だった。

彼女は何だか違う気がした。




.