それでも朝はやって来る

朝子は自室に戻り、着替えをした。

まだ朝早かったから、あまり人がいないかと思ったら、屋敷の中は何か忙しそうで。

数人のお手伝いさんとすれ違った。


「ね、悠里様、見た?」

「うん、無茶無茶格好良かったぁ~」

「高校生の格好も良かったけど、やっぱり今のが、格好いいよね」


若いお手伝いさんが、朝子に気づかず口々に言っていた。



あのまま、悠里と彼女は昨日…



その先まで考えると辛くなってきた。


朝御飯を食べる為に、昨日案内された食堂へと向かった。



笑って、悠里におめでとう…と言おう。

この1ヶ月で起きたことは、夢だったと思えばいい。

彼らに出会ったことも、忘れればいいんだ。



意を決して、扉をノックしようと手を振り上げた。


「何やってんだよ、お前は…そこは、木槿の部屋だぞ」


掌をやさしく掴まれた。


「食堂は、あの絵が飾ってあるとこの隣だろ?」






ダメだ…

やっぱり、すぐになんて忘れられない


だって

声を聞いただけで、こんなに胸が苦しいなんて…


.