それでも朝はやって来る

優しく


優しく何度も髪を撫でてくれていた。



先生から伝わる体温は、冷えきったあたしの体に温かさを与えた。


真楯は髪を撫でながら、ソファに身を預けた。



朝子は真楯に抱き締められている圧迫感を感じず、自然に真楯に寄り添った。


段々と自分の重みが真楯に伝わっていくような錯覚を起こさせた。




決して無理矢理ではない真楯の心遣いが嬉しかった。




真楯は体温が高いのか、寄り添っていて本当に心地好い。


細いと思っていた体は、結構筋肉質で男らしかった。



「ここには、誰もきません。今は何も考えずに、ただ、甘えて下さい」



壊れ物を触るようにそっと朝子の頬に触れた。



「泣いて…いいんですよ」



何も言っていないのに、真楯は朝子の一番欲しい言葉をくれた。



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