それでも朝はやって来る

「…………す……き…」




消え入りそうな声だった。


香で自由を奪われ、ろくに口も動かせなくなっていた朝子が必死の力を振り絞って呟いた。










「………悠里…が…好き」










パジャマの前ボタンを片手で器用に外しながら、隙間からみえる朝子の素肌にキスを落としていた悠里の動きが止まる。



暗闇であったが、悠里の目が大きく見開かれていた。


朝子は目を閉じると溢れ出た涙が、筋になって頬をつたう。



悠里は力なくベッドを叩いた。



「今更…何いってんだよ」



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