それでも朝はやって来る

なんで?

なんで、悠里がここに!?




布団から引きずり出されて、唇を吸われる。


「や…めて…」


力なく抵抗しようと、やっと動いた手で悠里の体を押し返す。


その間にも、悠里は容赦なく熱い口で朝子の唇を犯していった。



香には催眠効果があるのか、目眩がして仕方なかった。



二人の重みで、ベットがギシッと沈む。

両手はベットに、悠里の手によって縫い付けられ、体の自由を奪われた。


朝子の首筋に顔を埋め、舌を這わせていく。

弱々しく首を横に振るが、なんの意味もなさなかった。



「俺に…逆らうな」



押し殺すような声で囁かれた。





こんなに…


こんなに好きなのに





薄暗い部屋の中で、衣擦れの音だけが響く。


目の前がじわっと滲んだ。



辞めてといっても、朝子を陥落させようとする手は止まらない。



こんな形で、こうはなりたくなかった。


悠里には、あたしの気持ちを知ってて欲しかった。


たとえ、生き延びるための道具であっても…




朝子の目尻から、一筋涙がこぼれた。











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