『…ん』
隣から聞こえてきたその声に、俺はドキッとした。

起きたのか?
それとも寝言なのか?

…俺の言った事、小春に聞かれてないよなぁ?!

大体、俺はどうしてこんな心配してんだよ…。


いつもはもっと余裕なはず…
別に、女子といても…

なのに俺は、今…
“小春”っていう、1人のひとがとても気になって仕方ない。

意識しすぎて、自分が自分じゃないみたいだ。


この時、俺は薄々気付き始めていたんだ。

俺の中で生まれた新しい気持ちに…。
愛おしくてたまらない、この気持ちに…。



6月…
夏の気配が近づいてくる頃、俺の心に新たな気持ちが生まれ始めた。