「それでも、好きだ」
俺はもう一度みずほを抱き締めた。

みずほは俺より少しだけ背が低い。


――良かった!
身長だけはまだ俺の方が勝っている!

俺はそれだけで満足していた。

俺はみずほの胸の膨らみを抱き締めながら感じていた。


俺は中腰になってみずほの胸の辺りに頬を近づけた。


「さっきリレーでバトンタッチの時、この胸が俺の目に飛び込んで来た。だからあんなに速く走れたんだ」

俺は興奮して、自分が何を言っているのかも解らなかった。

そしてただただみずほを抱き締めていたかった。


「バカがあんたは」
みずほはそう言いながら、家族のいる地域席に戻っていった。