俺はコンパクトを開け、鏡面を見詰めた。

その文字から垣間見えた真実。

それは、あまりにも残忍なゲームの内容だった。




昨日の事だった。


授業中の事だった。
クラスメートの松尾有美(まつおゆみ)の父親が死んだと連絡が入った。
前々から心臓病で、入退院を繰り返していたらしかった。


「覚悟はしていたけど、やっぱり辛いね」
そう言いながら教室を後にした。


――うん。このシーンは、覚えてる。


――ってゆう事は……


――このコンパクトは、真実を……


――真実を見せてくれている!?


(――きっと……
みずほと一緒にこのコンパクトも見たんだ)