遺書も無い。

靴も履いたまま……


――えっ!!
靴を履いたまま!?


――やっぱり!!


――良かった。みずほはやっぱり自殺なんかじやなかったんだ!!




俺はそれらを確かめるようとして、静止を無視してみずほに近付いた。


「違う! 自殺なんかじゃない!」
俺の言葉が虚しく響く。


「みんな良く見てくれよ! 靴を履いたままで自殺なんか有り得ないだろう!?」
俺はみずほの傍に崩れ落ちた。


俺はその時、何かの気配を感じて屋上を見上げた。

屋上の柵に手を掛けて、クラスメートがみずほを見ていた。


――彼処から墜ちたのか?

そのとてつもない高さ……

俺はみずほのあじわった恐怖を肌で感じて、総毛立った。