悲しい現実だった。

叔父さんは自分を押さえられなかったことが許せなかったらしい。


『幾ら何でも、アイツが真犯人のはずがない。と思うけど、体が反応していたんだ』
何時だったか、そんなことを言っていた。


その後警察官を辞め、身に着けた追跡や張り込みを生かして探偵事務に就職したのだった。


そしてアパートの一室を事務所代わりにして独立。

その部屋は殺された新妻との愛の巣だった。


叔父さんはまだ捕まらない真犯人を、心の何処かで追い求めていたのだ。