俺が屋上で行ったみずほの慰霊祭。

その内容を知らない二人は、又キューピット様をやろうと言い出した。


――でも本当は知らないはずはない。


そうでないと、先生のポケットにみずほの携帯を隠したことの意味がない。


そう……
何かを遣ると言う事には気付いていたようだ。


俺はもし又キューピッド様を遣るように言われたら、積極的に参加してほしいと俯いた女生徒達に呼び掛けていた。

勿論、みずほの自殺に見せかけた事件の事は何も知らせるないでほしいと念を押して……


みずほのような犠牲者が出ると、最初は渋っていた。

でも理解はしてくれたようだった。


俺には言えない、あの二人が誰を殺したがっているのかなんて。


其処に書かれた名前の人が、今度の犠牲者になるかも知れないなんて。


だから、犠牲者となるかも知れない人を救い、事件を未然に防ぐ為に。
俺は立ち上がろうとしていた。