不完全な完全犯罪・霊感探偵瑞穂誕生

2Kの間取り。
小バスユニット付き。
出来た当初はきっと斬新だったんだろう。
でも今は外階段に赤錆もそのまま放っておかれてる。


通路側に開くドア。
靴置き場のみある玄関。

その横に広がる、四畳半程の洋間に小さなテーブルセット。

きっと団欒の場だったのだろう。

其処を仕事場にして、方開きの押し入れを書類棚にしていた。

キッチンは流しと二口ガスコンロのみ。

玄関のすぐ脇にある扉の奥は、さっき俺の入ってたシャワー次バスルーム。
其処には小さなトイレも付いていて、夫婦二人暮らしには手頃だったのだろう。


実は当初は仮宿所にする筈だった。

警察には家族寮があり、いずれは其処へ移るつもりだったのだ。


『まさか此処でずっと暮らす事になるなんて』

叔父さんは何時も言っていた。