不完全な完全犯罪・霊感探偵瑞穂誕生

「あれから……殺されてからもう十年以上だな。確か今年が十三回忌だよ」


「犯人はまだ捕まっていないんだよね?」


「でも殺人の時効が無くなったから、同じには救われたよ」

叔父さんは俺の脱いだワンピースを抱き締めていた。


(――おいおい……
俺は少し青ざめた)




何時までもそのワンピースを離さない叔父さん。
よっぽど思い出があるなだろう。

俺はそんなやるせなさそうに座り込む叔父さんを初めて見た。

どうやら俺の一言が琴線に触れてしまったらしい。

俺は今……
確実に取り乱していた。