俺は有美を自宅まで送ってから、イワキ探偵事務所を訪ねた。


大通りから一本、中に入った道。
古い木造アパートの二階。

東側の窓に手作り看板。

《イワキ探偵事務所》
はあった。


借りてたワンピースを脱いでシャワーを浴びる。


悪夢を忘れようと頭をかきむしる。

それでも、周りに飛び散らないように気を遣う。


小さな浴室の窓を月明かりが照らしていた。