――あの時、俺もこんな風だったのだろうか?


俺はみずほが自殺したとのメールを受け取った後の行動を全く覚えていない。

気が動転していた。

何が何だか解らす、ただみずほを求めてさまよった。


『助けてー!!』
と叫んだみずほ。

(――あの声が……
まだ俺の耳で、頭の中でこだましている)

頭から血を流して死んでいたみずほの姿が忘れられない。


俺はあの時、屋上を見た。

其処の柵から何人ものクラスメートが顔を覗かせていた。


あの時、みずほのあじわった恐怖を感じた。

俺のこの肌が総毛立ち、あの縮み上がる程の衝撃。

それを有美が又……


俺は改めて、あの二人が許せなくなっていた。




(――それでも……
それでも千穂は、俺の大切な幼なじみだった)