明らかに不審者だろう。

ふらつく有美と大柄な俺。
おまけに、女にあるまじきペッタンコの胸。

男性としては小柄だけど女性としてはおかしい筈だ。
だから百合子と千穂が気になった。
でも二人は気付いていないようだった。




足がもつれる。
その度何かを掴む。
有美はやっと歩いていた。




――当たり前だ。


――みずほの様に自分も殺されるかも知れないんだ。


――俺もきっと……

俺は何時しか有美の姿に自分を重ねていた。