怒りがこみ上げて来る。


俺をレギュラーにさせない為に……

ただそれだけで岩城みずほが選ばれた。


だからみずほの携帯でメールを打ったのか?

あの胸の痣は、みずほが俺に殺しだと知らせる為だったのか?


――殺されたのに、自殺扱いだなんて……

みずほにとっては耐えられなかったのだろう。


だから、このコンパクトを使って……
俺に真相を伝えようとしたのか?


(――そうか……
やっと解った……全てはみずほの意志だったんだ)




俺は岩城みずほがどうしようもなく愛しくなった。


でも、もうみずほは此処には居ない……


――みずほゴメン……

頬につたわる涙をどうする事も出来ずに、俺はただ其処にいた。


その時俺は気付いた。

又泣いている自分に。


俺は今まで涙を流していなかったのだ。

だから、又止まってしまったらどうしようと思っていたのだった。