「さあ叔父さんの探偵事務所に行って女装よ」

有美の言葉に俺はもっと驚いた。


「バレていたのか?」
俺がしょんぼり言う。


「うん。余りに可愛かったから、後で強請ってやろうとみずほと笑ってた」


――おいおい……
俺は落ち込んだ。

有美はまるで俺の弱点を探し出そうとするかのようにビッタリ密着した。


――ヤベー。心臓バクバクだよー!

こんな事は始めてだった。

今俺は、俺を女装探偵だと知ってる女性に腕を組まれている。


俺はみずほに誤りながら、非常事態ツーショットを有美に許していた。


いや……
許さざるを得なかったのだった。