でも、簡単には、彼をみつけることが

 できず、3日がたった。

「なかなか、手ごわいねぇ~。」

「そうだね・・・。」

「でも、美雫が初めて恋した人なんだから、

 このくらいで、あきらめないよねっ!」

「もちろんっ。」


 今、国語の授業中。

 それでも、私の頭の中は、彼のこと

 でいっぱいだった。

 ふと窓から見える、校門に目をやると、

 そこには、制服のボタンを全開にはずし、

 制服の中から黒のTシャツをだし、

 ズボンのすそを地面にくっつけながら

 とても、だるそうに登校してくる人の姿が

 目に入った。


「あぁーっ!!」

「おい、どうした美雫?」

「いや、なんでもないです・・・。」


 私は、授業中と言うことを忘れて大声で

 叫んでしまった。

 今、登校してきた人は、そう。

 私が恋した彼だったから。


 キーンコーンカーンコーン。

 チャイムがなり終わると同時に愛美が、

 勢いよくこちらに向かってきた。

「美雫ぁ!どうしたのさっき?

 急に大声で叫んだりしてっ。」

「いたのっ!」

「いたのって誰が?」

「私が恋した人っ!」

「ほんとにっ!?どこにいたのっ!?」

「さっきね、窓の外みてたら、

 彼が登校してたのっ!」

「ほんとにっ!よかったじゃんっ。」

「さっこく会いに行こうよっ。」

「うんっ!!」