いつもと変わらない毎日。

 朝起きて、学校に行って、部活やって、

 帰って、ご飯食べて、お風呂に入って、

「おやすみなさい。」

 毎日がこのくり返しだった。



「美雫~。早く帰るよー。」

「はーいっ。」

 そして、今日もいつもと同じように

 愛美と帰る。



「美雫さぁ~本当にまだ、

 好きな人できないのぉ~?」

「できないよっ!愛美みたいに毎日、

 恋なんかしないもん。」

「毎日、恋する人で、悪かったですねぇ~。」
 


 クラスで1番かっこいい男子にも、

 学年で1番かっこいい男子にも、

 私は、14年間生きてきて1度も
 
 人を、好きになったことなんてなかった。

 恋なんて、私には、興味なかった。



「もし、好きな人ができたら、

 私に1番に教えてね!」

「わかった。まっ何百年後に

 なるかわかんないけどねっ。」


 
 そんな、たわいもない話をしながら

 帰っていると、

 前から、私達と同じ制服を着た、

 男の人とすれちがった。



「ねぇ~美雫!さっきの人、かなりイケメン
 
 だったよねぇ!」

「そ、そうかなぁ~。」



 私が初めて、彼を見たとき、

 目が大きくて、黒髪がとても似合っていて、

 背が少し低いのが印象的だった。



 家に着くと、何度もさっきの彼の顔が、

 頭に浮かんできた。

 キレイな顔だったからなぁ~。

 なんて思いながら、

 その日は、眠りについた。