絶対、わざとだ!って解ってるんだけど…そんな顔で見つめられると…。 話してしまいたくなる。 だけど…やっぱり英二君に、過去は知られたくなかった。 「…聞いてもつまらないから。私、ほんとに帰るね?色々ありがとう!お世話になってごめんね!」 今度こそ、本当に私は逃げるかのように帰り支度をした。 「蘭子ちゃん。」 急いで玄関に向かった私を呼び止める、キレイな声。 「きっと…蘭子ちゃんは可愛くなれるから。俺が保証する。」 その言葉の意図は解らなかったけど…単純に、すごく嬉しく感じた。