一度振り返ってそれだけ言ったけど、英二君の満面スマイルにクラクラしてしまう。


でも、今度こそ本当に、私は家に帰った。









「…ただいま〜…。」



「…お帰り。」



私は一人暮らしは面倒臭い、という理由から実家暮らしをしていた。


生活はすっごく楽だけど…こういう時だけ、気まずい。



「もう子供じゃないんだし、何も聞かないけど…朝帰りする時は連絡くらい入れなさいね。」



少しホッとしたような顔でお母さんが言う。


お父さんは気まずいのか、黙って新聞を読み始めた。