「蘭子ちゃーん!帰り方、解る?」



この声は…!


頭上から聞こえてきた声に振り返ると、英二君がベランダから見下ろしていた。


私は一気にカァッと体温が上がってしまう。


解るから…!


そんな大きな声で名前呼ばないでよ…っ!


私は頭を縦に激しく振って、回れ右をした。


急いで帰ろうとすると、後ろからしつこく英二君の声がする。



「もしかして近所だった?また遊びに来てね〜!蘭子ちゃん!!」



もーっうるさいっ!!



「来ないっっ!さよなら!!」