美香がいたから、私は英二への恋を諦めずに済んだ。


本当に、ありがとう。









「それにしても…元に戻る方法が、好きな人のキスだったなんて…映画みたいだよな。」



帰り道、不意に英二が呟いた。



「そう…だよね。結局、何だったんだろう?若返る薬。」



不思議な出来事で、未だに信じられないけど…でも。



「私と英二の…キューピットだよね、ある意味。」



あの薬がなかったら、英二が若返ったりしなければ。


私は英二の気持ちに気付かなかったし、英二に恋することもなくて。