ケータイを開くと、Eメール1件の表示が出ていた。 差出人は奈々。 昨日のことを訊ねるメールだった。 「ほんとのこと言えるわけないし…。」 落ち着いたら話す、と返信を打ち、今度は頭まで布団をかぶった。 今日は学校行きたくない…。 だけど、お母さんに仮病は通用しないだろう。 窓の外で蝉が鳴き始めた。 もうすぐ7月に入る。 夏休みはすぐそこだ。