「あの…皆さん、お騒がせしてすみませんでした。もう大丈夫なんで。」 私が奈々の変わりに言うと、みんなはこっちを見るのをやめて教室はまた徐々に騒がしくなっていった。 「…ごめん百合。つい感情が、ね。」 「奈々らしすぎ。」 去年1年間一緒にいただけで、奈々のこういうところにはもう慣れた。 「それよりノートのこと。どうしよう…。」 「だから渡すしかないって。」 「どうやって?突然『これあげる。』って言うの?」 「うーん…それしか無くない?」