結婚してから、彼はすっかり変わってしまった。


いや、変わったんじゃない。


私が知らなかっただけ。


馬鹿な女。


家出同然で結婚して、その頃には奈美もお腹に。


それでも彼は、毎日毎日ギャンブル漬け。


お金が無くなれば家の物を売り、生活費も全てギャンブルに消え。


残ったのは奈美だけ。


「おいしいね!」


ミートソースを口の周りにいっぱい付けて。


「あーあ、お口にいっぱいつけて…」


奈美の口元を拭く。


そのハンカチは、母が私にくれたものだった。



涙が溢れだした。