このままじゃ駄目な気がしていた。 両親の反対を押し切って、ようやく手にした筈の『幸せな家庭』 私がこの3年間望んでいたものは、何一つ叶わなかった。 この子だって、きっと幸せに出来ない。 繋いだ手が暖かくて、私は強く奈美の手を握った。 「奈美、ご飯食べにいこっか?」 「うん!」 無垢な笑顔に、私の心は揺らいだ。 この先、どうすればいいの?