「蘭麗、いい加減メアド教えてくれても良いんじゃね?」


制服越しの肩にそう言った名も知らぬ男が腕を回す。


気持ち悪い。


誰があんたなんかに個人情報を渡すもんですか。



「ごめんなさい…今、彼氏がいるので…」



おどおどして、天然ぶってれば誰だって落とせる。


天然は計算しないから。

あたしの本性を知る事だってないよね。



清楚なキャラ作ってればさ、余裕なんだって。


なんでモテたいかはわからないけれど


モテるのに悪い事なんて無いじゃん???




でもあたしは彼氏は作らない。


彼氏なんて。

面倒だし。



恋? 笑えるんですけど。


あたしは皆にとって高嶺の花なの。



綺麗になるために、沢山努力した。


ダイエットして

徹夜で勉強もした。



だからあたしは人並みに綺麗なの


そこら辺はわかってほしーよね。