「あっち、向いてようか?」

カバンのところで降ろされると、
そう聞いてくれた。

やっぱり、王子様なんだなぁ…
優しい…。


「いい。つけない」


つけてももう意味ないし。

ばっちり、見られてるし。
目も髪の毛も。


「いいのか?」

「今さら隠したって、意味ないでしょ?」

無駄なことはしない主義なんで。

「確かにね…」