青ざめていて、冷や汗が出てる。


綺麗な顔が台無し。


「…さわんじゃねぇよ」


――ビクっ


身体が跳ねる。


学さん…?


とても低くて、怖かった。


アイツの顔が出てくる。


違う。


学さんと、アイツは…全然違う。


あたしに優しさをくれる人なんだから…。


「俺の大事なもんに手ぇあげるっつーことは、殺されてーってわけか?」


フッと笑って一歩足を踏み出した。






「次、俺の前に面見せやがったら、殺すぞ」






低くて、怖くて、威圧感のある声だった。


そしてこっちを振り向く。


その表情はさっきの表情とは全然違う。


優しい顔をしていた。


「…行くか、葉奈」


「……、はいっ」


なぜかとても安心している自分がいる。